いつまでも泡を離さぬ水中花 水中花開きし花の天地人…
涅槃図を脱け仰向けに鳩死ねり 涅槃像 吾を薄目にみそはす 死因いぶかし涅槃像たくましく…
追註:涅槃図は、旧暦二月十五日の涅槃会(新暦の三月十五日に行われることも多い)に掲げられる釈迦入滅の図で春の季語。釈迦の入滅を悲しむ弟子や動物などが描かれている。ほとんどの涅槃像は、右手を枕とするか、もしくは頭を支える姿である。基本的には、頭は北向き、顔は西向きとされる。これが後に、一般の俗人が亡くなった時に「北枕」とされる由縁となった。 また、釈迦の像には、誕生時の像、苦行時の像、降魔(ご うま。悟る直前)の像、説法している時の像などいろいろなものがあるが、大別して立像・坐像・涅槃像の3種類があり、一説に立像は「出山(しゅっさん)の 釈迦」に代表されるように、いまだ修行中で悟りを開く前の姿、坐像は修行して悟りを開かんとしている時(あるいは開いた直後)の姿、そして涅槃像はすべて の教えを説き終えて入滅せんとする姿を顕すとされる。また涅槃像には、目が閉じているものと、目が開いているものがあり、目を閉じた涅槃像は、既に入滅し た姿で、目が開いている涅槃像は最後の説法をしている姿を顕しているといわれる。 背景音樂:玉置浩二(Mr.Lonely)轉錄
悲しみの情景にぶつかって俳句する時、 僕とって人一倍情に脆いことを自分で解っているので、心を鬼にして情を排除します。 僕はなるだけよく見つめて、『風姿花伝』のように物を摑み出します。 表現した物と物の間から、情が伝わってくれる事を望んでいます。